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日中はまだまだ暑い日が続いていますが、たそがれ時になると、ひんやりとした風。夜になると、鈴虫の声。なんとなく物悲しいですね。そんな静けさの戻った京都の鴨川の土手を、麻の白っぽい着物を着て、薄茶地にカエデと鹿の絵柄の名古屋帯をしめたシックな人が颯爽と歩いていました。帯が季節を先取り、なんて素敵、あこがれますね。
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一工夫小物で秋を演出 |
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日本人は、はっきりした四季の風物を愛する心が深いために、昔から季節にとても敏感。そのため、着物も季節感を大切にします。
でも地球は温暖化。江戸時代のように涼しいわけではないので、9月になってもしばらくは、麻や紗という透けた着物で夏の名残りを。ただ、どこかに秋の気配を漂わせましょう。
本当は帯でこっくりと秋の気配を装いたいけれど、帯は着物よりも値段が高い場合が・・・。秋の帯をもっていない人は、帯留めなどの小物を効かせてみてはいかがでしょう。
私は、夏はビーズやガラスの帯留めをしていましたが、8月の終わりくらいから、七宝焼きやバラの花なんかを使っています。
帯留めは、おしゃれで便利。百貨店のアクセサリー売り場で、高価な物も売っていますが下の写真の葡萄の帯止めは、100円の箸置き。フックを貼って簡単に作れますよ。
 
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お月見の着物 |
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さて、9月はおしゃれ心がグンとます季節。いくら暑いからと言っても、夏の着物はもう片付けて、やっぱり単衣(ひとえ)の着物を着てお出かけしたいですね。単衣(ひとえ)の着物は、5月、6月、9月に着る裏地のない着物のことです。裏のついている着物は袷(あわせ)といいます。9月に着る単衣は、5月、6月に着る単衣と基本的には同じです。違うところは、初夏の単衣は、清涼感のある雰囲気で、そして、9月の単衣は、落ち着いたシックな雰囲気の色合いや柄、というところです。
秋の着物には、桔梗、なでしこ、萩、楓、トンボ、といったこの季節にしか着られない柄が魅力的ですね。
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おわりに |
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秋の着物の準備を整えたら、「着物お出かけ計画」を立てたいものです。芸術の秋、美術館やコンサートに行くのも素敵。(着物でコンサートに行くと、後で演奏者の人が声をかけてくれたり、いい席に案内されたり、となにかと得することが多いみたい)
でも、秋の着物を着たら、秋らしい雰囲気を味わいたいですね。9月25日は中秋の名月。京都でも観月祭があちらこちらでもようされます。名月で有名なのは大覚寺です。お琴や尺八などの演奏を聴きながら、大沢の池で龍頭船に乗り、平安貴族のように、池に映った月を愛でます。(大覚寺 観月会)
夜、着物で出かけるのが大変なら、お家で、ススキとお団子を備え、着物を着て家族と秋の夜を静かに、窓の外の月を眺めて過ごしてはいかがでしょうか。
着物を着て月を愛でるということ、それはスタイルだけではなく、心豊かな気持ちと、私たちが普段忘れがちな自然への感謝の気持ちをきっと想いおこさせてくれることでしょう。
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執筆者 |
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おがたゆうこ
生まれ、育ち、京都。
小学生の時から、谷崎、川端などの日本文学、また、小津安二郎の映画などの日本の趣ある暮らしに憧れる。その中より、着物の動作美を発見。現在は、関西を中心に万葉集や百人一首、与謝野晶子などの歌から、歴史を紐解き、着物の魅力や着付けなどを教えている。
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