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今話題のきもの書籍 【小倉百人一首 】
   
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小倉百人一首
小倉百人一首
「天の原振りさけ見れば~」「長々し夜を一人かも寝む~」日本人なら、一度は耳にしたことがあるこの美しい調べは「小倉百人一首」です。小学校の教科書で、あるいは、お正月になるとお炬燵の上に、平安貴族の絵柄を並べ、楽しんだことがある方も多いと思います。

かるたのルーツは、平安時代の「貝合わせ」と言われています。二枚貝をふたつに分けて片方をさがす遊びです。NHKの「篤姫」でも、大奥で、歌や絵を書いた貝遊びをする場面がありましたね。

この「小倉百人一首」は、鎌倉時代、京都の小倉山に住んでいた藤原定家が、百人の人の最も代表的な和歌を一首ずつ選んだものです。江戸時代は、木版画の技術が発達したので、一般庶民の間にも広がり、お正月には、家庭で遊ばれていたようです。

そんな古い遊びを私たちは、今も楽しんでいます。でも、百人一首は千年も前の歌。調べは美しいけれど、意味がわかりにくい・・・ですね。

今月は、百人一首関係の本をご紹介します。


  百人一首いろいろ
 

「田辺聖子の小倉百人一首」 田辺聖子著
歌人の背景などを踏まえ、わかりやすく解説しています。親しみやすく、百人一首がすごく好きになる本。田辺聖子さんの解説は、艶やか。一首々に現代語訳と解説があるので、百のドラマがあります。筆者のユーモアと深い洞察力の文章。読んでいると、まるで、恋をしているよう~。

大型本上下2巻です。岡田嘉夫さんの流麗な絵は、ただ眺めているだけでも、面白いものです。
田辺聖子の小倉百人一首
あらざらむ この世のほかの 思い出に
  いまひとたびの 逢ふこともがな  和泉式部


〈あたし もう長くはないわ あなた
 あの世に旅立つ思い出に
 もう一度
 せめてもう一度
 あなたにお会いしたいわ〉

この人は不思議な言語感覚にめぐまれた女流作家で、天才としかいいようがない。~
まこと、サマセット・モームのいうごとく「その人の喜びも哀しみも、その人のハートの大きさだけである」和泉式部の歌は底深い。
~式部は恋の命の無常をしりつつ、恋に賭けねば生きられない、淋しがりの女だったのだろうか。
「田辺聖子の小倉百人一首から抜粋」


私の百人一首「私の百人一首」 白州正子著
白州正子ファンにお勧めです。格調高い文章は、きりりと背筋が伸びて、上質な大島紬をさっと着こなしてるようです。大人の百人一首を味わうことができます。

写真は、白州正子さんが、京都の骨董市で見つけた百人一首です。箱には「浄行院様御遺物」と記してあり、公家の家に伝わったもののようです。歌は文字からではなく、音で覚えたと筆者はいいます。しかし、そういえば、現在の百人一首は、取り札は活字ですね。私も取り札が、きれいな平安のお姫様たちを描いた絵札が欲しくなりました。


百人一首を歩く「百人一首を歩く」 嶋岡晨著
まるで旅をしているよう。一首一首、歌に詠まれた場所に関係ある写真や地図、行き方が掲載されています。百人一首を歩くって、タイトルだけでも魅力的です。

春の夜の 夢ばかりなる手枕に
  かいなく立たむ 名こそ惜しけれ  周防内侍


〈短い春の夜の、夢のようなお戯れ・・・
 そのあなたの腕をしばし枕としたばかりに
 つまらない浮き名がたったりしては
 口惜しいではございませんか〉

写真は雪の冷泉院跡が掲載されています。


もっと知りたい 京都 小倉百人一首「もっと知りたい 京都 小倉百人一首」 京都新聞出版センター 冷泉貴実子著
読みやすいし、解説がとても親切。歌にまつわる様々な物語、歌人のエピソードが豊かに描かれています。
歌にゆかりの史跡も地図付き。かるたの遊び方もあります。きもの好きは、多分、百人一首好き。きっとかばんに忍ばせたくなる一冊ですよ。

※京都、小倉山近くの「小倉百人一首殿堂」http://www.shigureden.com/では、
毎週火曜日~金曜日に「体感かるた五番勝負」が行われています。五人抜きを達成した方は「名人位認定証」がもらえますよ!
きものパスポートで行くと入場券が100円引きです!


  印 象
 

百人一首の歌はどれも、幸せの歌とかぎりません。恋の苦しさや命の儚さ。人生の無常を歌っています。しかし、なぜでしょうか。どこか平安の華やぎが感じられます。百人一首自体が根底にもっている、心の華やぎが淡々と伝わってくるのです。

古から、この百人一首でお正月、晴れの日に遊んだということは、百人一首のこの華やぎ、美しさは、穢れのないものと思われていたのでしょうね。平安の人の雅な心は、決して、外見だけではなく、自然を愛で、心広やかに美しく生きる姿にもあるのですね。

お正月には、ぜひ、きもので小倉百人一首を楽しんでくださいね。 (^_-)-☆


  今話題のきもの書籍の基本情報
 

題名 田辺聖子の小倉百人一首
著者 田辺聖子
発行年月日 1991年12月
サイズ 475P 15cm
ISBN:4-04-131424-0
定価(税込)735円 
出版社 角川書店

題名 私の百人一首 愛蔵版
著者 白洲正子
発行年月日 2005/11/25
サイズ A5判
ISBN:978-4-10-310716-3
定価(税込) 2,730円
出版社 新潮社

題名 百人一首を歩く
著者 嶋岡晨
発行年月日 平成7年12月
ISBN:4-87519-919-8
定価(税込) 1,500円
出版社 光風社出版

題名 もっと知りたい京都・小倉百人一首
著者 京都新聞出版センター /冷泉貴実子
発行年月日 2006年03月
サイズ 単行本
ISBN:9784763805737
定価(税込) 1,260円
出版社 京都新聞出版センター


  執筆者
 
百人一首 種河神社にて
緒方ゆうこ

 

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