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今月のきものコーディネート 【 いよいよ夏本番
   
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夏本番● 7月になれば夏本番です。

全国的には7月7日の七夕祭りが楽しみですね。
七夕祭りについては、「今月のきものトピックス」でご紹介してありますので、ご覧ください。

さて、夏になるとさすがに暑くて、「着物はちょっとね〜」
と、お考えの方いらっしゃいませんか?
例えば、七夕祭りでも、お出かけするのはたいてい夕方です。 さっと、シャワーを浴びて絽の着物で出かけてみましょう。 絽や紗の少し透ける着物は、なかなか良いものですよ。

「でも暑いわ〜」
と、まだ言ってる方。屋外へのお出かけは暑いかもしれませんが、室内は普段より涼しいはずです。観劇や室内のイベントには、洋服でも上に羽織る長袖を持って行くくらいエアコンが効いています。 室内は、着物がちょうど良い温度です。夏こそ着物で出かけましょう。

  夏の舞妓さん
 

一年中、だらりの帯に日本髪の舞妓さんは、どのように夏を過ごしているのでしょうか? 「きもの美人」の参考になる事もあるはずです。そこで、京都の夏と舞妓さんをご紹介します。

『夏の京都の行事:祇園祭』
京都の地形は盆地で、夏は暑く冬は底冷えして寒いと言われています。しかし、京都の人々は夏の暑さも知恵と工夫で、涼しく過ごしています。打ち水、すだれ、風鈴、風が通りやすくする為に町家には坪庭があり涼しげな緑の木が必ず植えてあります。
7月になると、京都の町は「祇園祭」一色になります。 あちこちの路地から“コンコンチキチン、コンチキチン…”と、お囃子の音が聞こえてきます。 皆さんがご存知の「山鉾巡行」は7月17日ですが、7月1日の吉符入から始まり、 31日の疫神社・夏越祭まで一ヶ月続きます。

*詳しくは、京都市観光協会HPでご覧ください。 http://www.kyotojoho.co.jp/


『7月の舞妓さんの衣装』

舞妓のかんざしも祇園祭にちなんだものを着けます。一般的には7月はうちわやお祭りと言ったかんざしを着けます。また、お姉さん舞妓は、祇園祭の時だけ「勝山」という髪を結うことができます。髷の後ろに見える布(手絡)と両脇に挿した「梵天」が特徴的です。時代劇に出てくるお姫様の髪型に似ています。これも京都ならではの夏の風物詩です。 (参考文献:祇園舞ごよみ)

勝山 中央のかんざしが団扇
  お祭り
勝山 中央のかんざしが団扇
 
お祭り

『風物詩:川床』
さて、この時期には、「鴨川納涼床」がでます。鴨川の西の岸の二条から五条まで、多くの料理屋さんが川の上に床を作り、川のせせらぎ、水面を渡る風、冴えた月明かりで、心にも響く涼を味わう事ができます。

* 詳しくは、京都鴨川納涼床協同組合HPでご覧ください。http://www.kyoto-yuka.com/

この納涼床のあちこちでも舞妓さんを見かける事ができますが、もちろんお座敷に呼ばれた舞妓さんですから、いくら隣に座っていても気軽に声を掛ける事はマナー違反です。

そんな人のために、先斗町歌舞練場や少し離れた上七軒歌舞練場では、夏の間だけビアガーデンが開かれ、舞妓さんがお当番制でお酌をしてくれます。舞妓さんの立ち居振る舞いを身近で見る事ができる絶好のチャンスです。

鴨川納涼床は大きな鴨川の横に平行して流れる禊川の上にせり出して作られる大掛かりなものですが、町中を離れた「貴船の川床」「鞍馬の川床」「高雄の川床」などは、新緑の谷間の渓流の上に床を作ったもので、鴨川納涼床とはまた違った趣があります。特に町中より温度も10度前後低い事から、京都の奥座敷と言った感じで涼しさを味わう事ができます。


名入りのうちわ『舞妓さんとうちわ』
毎年初夏の頃(七月初旬から中頃)になると、京の花街では夏のご挨拶に、芸妓さんや舞妓さんがお得意様へ名入りのうちわを配る風習が残っています。 料理屋さんの店先に、きれいどころのうちわが華やかに飾られている光景を見る事ができます。

花街では季節の節目ごとに季節感あふれる伝統が残っています。暑い夏も涼をイメージできるうちわで気持ちを表しているのですね。(参考文献:京丸うちわ)


『舞妓さん流夏の過ごし方』
舞妓さんは夏の間ももちろん着物で過ごします。芸妓さんになれば日本髪もかつらですが、舞妓さんは自分の髪の毛でキャリアに合った日本髪を結いますが、一度結うと夏場でも4、5日はそのままです。形が崩れないようにお風呂は短めに、寝る時には高枕で寝るそうです。美しさを保持する為には「気合い」が必要だという事ですね。

ですから、お稽古に行く時もふだん着の着物で出かける訳ですが、夏場は浴衣です。でも、私たちがお祭りで着るのとは違って、普通の着物と同じように長襦袢をつけて、帯もお太鼓で結びます。足下もちゃんと足袋を履きます。舞妓さんの身だしなみです。この浴衣姿でしたらお買い物に行ってもおかしくないですね。

私も麻の浴衣にお太鼓、半襟、足袋を履いて出かける事があります。公式ではないパーティなんかはこれで充分いけます。舞妓さんから教わった夏の着物アイテムの一つです。

さて、舞妓さんはお座敷に出る時は夏も冬も同じ着付けをします。そこで少しでも涼しく見せる為に、夏は着物の柄を朝顔なんかの季節の花にしたり、涼しい色合いの着物を着ます。それでも汗をかく暑い時には、こっそりベビーパウダーを付けるそうです。サラサラ感があり涼しく感じるそうですよ。皆なんもぜひ試してみましょう。

私も今年は先斗町歌舞練場のビアガーデンに行きたいと思っていますので、「舞妓さん流夏の過ごし方」を聞いてきてまたご紹介しますね。


八朔『8月の舞妓さんの衣装』
祇園祭も終わり、8月に入ると「八朔(はっさく)」の行事が東山区の祇園一帯で行なわれます。1日の日に祇園の芸妓さん、舞妓さんが日頃お世話になっているお茶屋さんや、お師匠さんに挨拶して廻るもので、猛暑のなか黒紋付姿の正装をした芸舞妓さんが「おめでとうさんどす」と挨拶廻りをする光景で祇園一帯は一段と華やいだ雰囲気に包まれます。

8月の炎天下にもかかわらず、正装した舞妓さん達は凛と背筋を伸ばして挨拶をして廻ります。不思議な事に汗ダクダクの舞妓さんはいません。一年に何度かある晴れの日ですから気合いが入り、気が引き締まっているのでしょう。祇園白川巽橋や四条花見小路を下がった辺りには芸舞妓さんをカメラにおさめようと朝から大勢の写真愛好家らが訪れ大変な賑わいです。

そして、8月16日は「大文字の送り火」です。
舞妓さん達は、送り火の見えるお座敷で、「盆にいっぱいの酒を注ぎ、大の字を映し込んで飲み干したら芸事が上達する」「京なすびに穴をあけて、そこから送り火を覗いてみる事ができたら目が良くなる」などと言った言い伝えのお遊びをします。
大文字が終わったら、京都ではそろそろ秋の風が吹き始めます。

  七月の歳時記
 

祇園祭 月鉾夏の着物と言えばやはり絽や紗の着物です。少しでも涼しくしようと思えば、長襦袢は上だけのものを着て下は裾よけだけにするとか、着付け用の紐を少なくするためにコーリンベルトを使ったりして工夫しましょう。

それでも暑い時には浴衣で出かけましょう。もちろん正式な場所ではNGですが、無理して汗をかきながら着物を着て、周りの人まで暑苦しい思いをさせてしまっては、折角のきもの美人も台無しです。

そもそも、浴衣の始まりは太閤様がお湯に入られる時に素肌では恐れ多いという事で白い薄い着物を羽織って入浴され、足元には布を敷いた事から、浴衣や風呂敷が始まったと言う一説もあるくらいです。歴史をひも解きながら浴衣を楽しんで下さい。ただ、浴衣の場合には基本は素足に下駄です。夏祭りなどで長距離歩くと必ず鼻緒ずれになり折角のお祭りが台無しに!? そんな事にならない為にもお出かけ前に、鼻緒のあたる所にワセリンクリームを塗っておきましょう。心配な人は小さな容器に入れて巾着袋に忍ばせておきましょう。

そして、扇子やうちわも忘れずに。でもうちわは柄がプラスチックで広告の入ったものではなく竹の細工でできた夏らしい絵柄のものを持ちましょうね。間違っても浴衣の帯の後ろなんかにうちわをさしたりしないでくださいね。

  おわりに
 

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  執筆者 
 

三城 誠子

倉敷生まれ、京都育ち。第5代「岡山県きもの文化人」
古い町で育った事もあり、和・着物への造詣も深く、着物と日本酒をこよなく愛する。

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