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10月に入ると学校では衣替えの季節です。
それまでは薄い色の半袖だった制服も、やや濃い色の長袖になります。
着物も10月になると単衣から袷に、色もシックな着物がよくなりますね。
さて、唐突ですが質問です。
Q 「年中同じ着物を着る場所があります。どこでしょう?」
A 「答え、温泉地の浴衣です」
そろそろ北の方から紅葉前線が下ってくる季節です。
そうなると恋しくなるのが、温泉と日本酒の熱燗(これは私だけでしょうか!?) 
10月、11月は連休も多く、温泉旅行を計画されている方も多いのではないでしょうか。
私も先日、熊本の黒川温泉に行って来ました。そこで気づいたのですが案外浴衣を上手く着こなせていない人が多いことです。
浴衣と言っても、夏に着る浴衣とは少しだけ勝手が違うようです。
そこで今月は、温泉浴衣美人になるためのマナーや私の隠し技をご紹介しましょう。
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浴衣の起源 |
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浴衣の起源については色々な説がありますが、太閤様がお湯に入られる時に素肌に直接お湯が触れるのは恐れ多いという事で白い薄い着物を羽織って入浴され、浴衣が始まり庶民にまで浸透したとか。
平安時代には今のように風呂に湯をはらず、蒸し風呂のようなお風呂で肌を見せてはいけないということで着けたのが麻の浴帷子(ゆかたびら/単の着物)でそこから浴衣になったとか。
諸説ありますが、どの説もお風呂からきた着物のようです。
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温泉浴衣 |
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浴衣は普通の着物とは違い、お風呂あがりに着ることから身体を拭く役割もしていたので「身ぬぐい」と呼ばれていたこともあったそうです。
そこから、今でも旅行に行ったときなどに旅館や、温泉宿に着くと「浴衣」が置いてあることが多いです。
この浴衣は、「温泉浴衣」とか「色浴衣」と呼ばれ、そのまま温泉街などを出歩けたり、ホテルの中やレストランにも行けたりします。ここが夏着として着る浴衣と多少違います。
特に温泉地では「浴衣セット」なるものが用意されているところもあります。また、「丹前(たんぜん)や羽織」などの上着を貸してくれるところもあります。
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女性客のためのデザイン浴衣 |
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さて、最近では温泉ブーム、それも若い女性客に喜ばれるようにと色とりどりのデザイン浴衣をたくさん用意して、好きな柄を選ばせてくれたり、町歩き用に下駄や巾着袋を貸し出してくれる宿も多くなっています。
昔は、団体さんが同じホテルや宿の名前を大きくプリントされたセンスの良くない寝間着のような浴衣を着て夕方の温泉街を闊歩したものですが、団体旅行からパーソナルな旅行にお客さんのし好が変わったこともあり、このようなデザイン浴衣貸し出しなどのサービスが多くなったのでしょう。
私たちにとっては嬉しいことですね。
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浴衣の似合うまち・城崎温泉 |
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兵庫県の日本海寄りに城崎と言う温泉情緒漂う温泉町があります。町の様子はちょうど倉敷のようで、町の中心を川が流れ、7つの違った外湯を廻ることができます。
この城崎温泉では、「ゆかたの似合うまち」をコンセプトに浴衣にまつわる色々なサービスをしてくれ、若い女性客で賑わっています。
まず、「城崎ゆかた憲章」なるものがあるのですが、着物好きにはうれしいモノですのでご紹介しましょう。
| 【城崎ゆかた憲章】 |
一、 |
ゆかたにあらざれば、装いにあらず。城崎温泉では浴衣を始めとした和服が正装です。外湯巡り御出掛けは必ず浴衣に着替えてから。 |
一、 |
ゆかたを以て尊しとなす。城崎温泉では浴衣(和服)を粋に着こなす御客様が尊敬されます。まず正しい着方を覚え自分自身なりにコーディネートを。 |
一、 |
ゆかたを温ねて、新しきを知る。浴衣を着ると今まで以上に気が付かなかった自分自身の新しい魅力を発見出来るはずです。見慣れたあの御客様もあんなに素敵だなんて。 |
一、 |
ゆかた姿、一日にして良き想い出を宿す。一日浴衣を着て過ごすだけで素晴らしい思い出がたくさん出来るはずです。都会では全く味わえない日本の良さがそこにあります。 |
一、 |
ゆかたは、豊かな心を育む。浴衣姿は人の優しさ大自然に美しく感じる心を思い出させてくれます。浴衣を着た御客様は外見だけでなく心も豊かになるのです。 |
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かいつまんで言いますと、
「日本の文化とも言える温泉地では浴衣(着物)を着て日本の心を見直しましょう。そして豊かな時間を過ごしてください」
と、言ったところでしょうか。 ぜひ、温泉浴衣美人になって行ってみたいところですね。 |
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それでは、温泉浴衣のマナーや楽しみ方をご紹介します。
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温泉浴衣美人になるには |
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*宿に着いたら浴衣に着替えましょう。
宿に着いたら、お部屋に用意されている浴衣に着替えましょう。浴衣を持ってお風呂まで行きお風呂から出てから浴衣を着るという人もいますが、温泉の人に聞いたところマナーとしては、お部屋で浴衣に着替えてからお風呂に行く方が良いようですね。ただ、「夏場汗ダクでさっぱりしてから浴衣を着たい」ときなどは、一緒に行った人との調和も考えながらケースバイケースで判断しましょう。
* 基本は素肌に浴衣ですが・・・・・
浴衣は、基本は素肌に着たいです。ブラジャーの線が背中に見えたりしない方が良いでしょう。
「でも、宴会でノーブラは恥ずかしいし、もしもの時には・・・」
という人は、肌の色に近いキャミソールを着けると良いでしょう。キャミソールはノーブラでもOKと言うパットが付いている物も有りますよね。このパットは胸の形を整えると言う意味合いもありますが、それ以上に乳首を隠す(目立たせない)と言う意味合いもあります。浴衣を着て乳首が目立つのは変ですから、セクハラ防止のためにも、目立たないようにキャミソールを浴衣の下に着たら良いと思います。
* メイクはいつ落とすの
女性の場合、一番気になるのが宿に着いてメイクをいつ落とせば良いかということです。友人のメークアーティストに聞いてみましたら、「温泉(お風呂)に入ってメイクを落とさないのはおかしいので、一旦すっきり落としましょう」ということです。でも、彼との初めての温泉だったり、宴会があったりする場合にはメイクを落とした後に、アイシャドーは薄めのブラウンか、ピンク系。多色使いはNG。リップではなく、グロスを控えめに。風呂上りですから、それだけで頬はピンク色になっていると思いますが、クリームタイプのチーク(ピンク系)をほんの少し入れる程度。アイラインはやめておきましょう。あと、忘れてはならないのが、ぺディキュアとかかとの手入れ。髪の毛は簡単にアップに。と言うアドバイスでした。温泉に入った後のバッチリメイクは避けた方が良いようです。ナチュラル系のメイクを心がけましょう。
* 着付け時に、夏の浴衣と違うところは
基本的には同じですが、幾つか注意点をご紹介します。
1、 |
風呂上がりなので、「衣紋(えもん)を抜く」と良いでしょう。衿の後ろの部分を首にくっつけて着ると、着る方も見る方も暑苦しいです。握りこぶし一つ分くらい首の後ろ側の衿を引っ張って(抜いて)着るのがコツです。湯上りのうなじがチラッとのぞいて、ちょっと色っぽい着こなしになります。ただし宴会の席でからまれないよう、ほどほどに。 |
2、 |
温泉浴衣の着崩れの一番の原因は、用意された細い帯でウエストを絞って結んでしまうことです。裾も広がってしまうし、子供っぽくなってしまいます。浴衣を羽織る前に、腰の部分にタオルなどを巻きつけて腰のくびれを直しておくのが一番簡単で効果的です。湯上りにはちょっと暑苦しいかもしれませんが、「朝起きたら腰紐1本」と言う寝ている間の着崩れの防止にも効果があります。 |
3、 |
それでも寝ている間の着崩れが心配な人は安全ピンを用意するか、バストの下とウエストの辺りに腰紐を2本巻いて寝るとかなり着崩れが防げます。 |
5、 |
浴衣の前併せは、男女共に左側が上前になります。これは結構知らない人もいるようです。反対にすると死装束です。気をつけましょう。
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6、 |
丈は短めに着ましょう。くるぶしの上辺りがベストです。 |
7、 |
冬になると丹前を用意してある宿もあります。丹前は綿の入った日本式の羽織の
ようなモノです。着る場合は浴衣と丹前をあわせてから帯を結びます。
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私流の温泉浴衣の楽しみ方 |
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私も温泉は大好きなのでよく行きます。その時に使う私なりのアイテムを幾つかこっそりご紹介します。気に入ったモノがあれば試してくださいね。
*マイ足袋を用意
宴会などがある旅行の時には、足袋を持って行きます。忘れた時には旅館の人に譲ってもらいます。夏の浴衣は素足が基本ですが、宴会の席で温泉浴衣に素足はラフすぎて少し抵抗があることと、冬場は防寒になります。
* マイ帯を用意
レディースプランなどで色柄のデザイン浴衣を貸してくれる宿では、好きな浴衣や帯が楽しめますが、みんな同じの温泉浴衣の場合には、夏用の帯を用意して行くとみんなより少し違ってお洒落です。この時腰紐も余分に用意すると色々便利です。簡単にするのでしたら兵児帯でもよいですね。若い人なら今流行している長めのショールを可愛く帯替わりにしてもOKです。
* マイ羽織を用意
最近では、浴衣は宿の計らいで洒落たデザインに代わってきていますが、羽織は相変わらず紺色などのオーソドックスなものが多いです。マイ羽織を持って行くだけでも気分が変わりますよ。特に町歩きする時などはお洒落です。
* 可愛い柄の手ぬぐいを用意
手ぬぐいを一枚用意しておくと色々使えて便利です。外湯巡りの時の防寒用にマフラー代わりに。温泉浴衣の時には衿に重ねて飾り衿風に。衿ぐりのはたけ防止にもなります。膝掛けやシート代わりにも。
「城崎ゆかた憲章」にもあるように、温泉地での浴衣姿は独特のものがあります。熊本の黒川温泉で始まった露天風呂巡りが大評判になり、全国の温泉地で外湯や露天風呂巡りが盛んになりました。それに併せて浴衣姿で町歩きをすることが温泉の楽しみのひとつに加わり、意外なところから若い人にも浴衣が愛用されるようになりました。夏祭りに着る浴衣とは少し違ったし好の温泉浴衣を皆さんも色々工夫して楽しんでくださいね。
秋の温泉旅行の浴衣でのエピソードなんかを事務局にお寄せ下されば嬉しいです。
秋の良い旅行を楽しんでください。
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おわりに |
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執筆者 |
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三城 誠子
倉敷生まれ、京都育ち。第5代「岡山県きもの文化人」
古い町で育った事もあり、和・着物への造詣も深く、着物と日本酒をこよなく愛する。
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